ジャンプ,ターン,ステップの膝痛の原因と解決するために必要な筋膜調整とは?
目次
ジャンプ,ターン,ステップの膝痛の原因と解決するために必要な筋膜調整とは?
筋膜調整セラピスト
TRIGGERの中村です。
ダンスをされている方から相談される症状として、
・ジャンプの着地で膝の内側が痛い
・ターンの時に膝が外れそう
・ステップの時に膝がガクッとなる
など、膝の痛みや不安定感がとても多いです。
今日は、ダンス中の膝痛とケアについて解説していきます。
ダンサーが悩む膝痛の原因は?
はじめは違和感だけだったけど、気づけば痛くなってたなんてことはありませんか?
でもこれといった原因がわからない・・・
ダンスのターンやジャンプの着地で膝を捻ったわけでもない。
膝関節のクッションになる半月板が傷んでいることもあるのですが、
病院に行っても特別な異常はない。
では一体なにか?
実は痛みの原因は「使いすぎ」と「筋膜」であることが多いんです。
ダンスといっても様々ですが、特に決まった振り付けを反復して練習している場合が問題になります。
ダンスを初めて間もない方は、早く上手くなりたくて猛練習をします。
発表会などが間近に迫っている方であれば一時的に練習量が増えます。
インストラクターの先生や踊りを指導する立場にある方は、休むこともなかなか難しいので
体への負担は大きくなるばかりです。
そうなると、同じ筋肉を使いすぎることになります。
そして同じ筋肉を使いすぎると、
その筋肉を包んでいる筋膜の動きも硬くなってしまうのです。
筋膜がなぜ硬くなるのか?
筋膜とは、筋肉を直接包んでいる膜のことをいいます。
では、筋肉を使いすぎるとなぜ筋膜が硬くなってしまうのでしょうか?
実は、「ヒアルロン酸」が大きく影響しているのです。
最近になって、筋膜はミルフィーユのような層になっていて、
層と層の間には「ヒアルロン酸」があることがわかってきました。
そして、このヒアルロン酸が潤滑剤の役目となり、筋膜の層と層がすべり合うようになっているのです。
使いすぎによってヒアルロン酸の性質が変化してしまいます。
もともとサラサラ、すべすべしていたものが、ベトベトの水のりのような性質になってしまうのです。
ベトベトの水のり状態になると、どうでしょう?
すべっていた層がすべらなくなり、動きが悪くなります。
実は「筋膜が硬い」というのは、「筋膜の層のすべりが悪くなる」ことだったのです!!!
筋膜が硬くなるとなぜ痛くなるのか?
筋膜が硬くなると、なぜ膝の痛みが出るのでしょうか?
実は、筋膜には痛みを感じる神経がたくさんあることわかっています。
その数はなんと筋肉の10倍!!!
日常にあふれる筋肉痛は、実は「筋膜痛」だとも言われるようになってきているのです。
ヒアルロン酸がベトベトになってすべりの悪くなった筋膜は、刺激に対して過敏になります。
筋膜の中の神経が過敏になってしまうと、ちょっとしたダンスの動きでも痛みを伝えてしまい、
ジャンプの着地、ターンやステップ、簡単な振り付けでも膝が痛むようになります。
また、筋膜には痛みを感じる神経以外にも、関節の動きを感知するセンサーもたくさんあるため、
人によっては
「膝が外れそう」、「膝がガクッとなる」といった関節の不安定感を感じる方もいらっしゃいます。
ダンサーの膝痛に必要なケアとは?
ダンサーの方に普段のケアの方法を伺ってみると
・ストレッチ
・筋肉のマッサージ
・ピラティスなど正しい体の使い方をトレーニングする
いろいろ工夫しながらケアをしている方が多い印象でした。
ですが、こんな経験はありませんか?
・ストレッチをしても伸ばしたいところが伸びない
・マッサージをしても痛みは変わらないし、少し楽になってもすぐ戻る
・正しい姿勢をとるように気をつけたり、体幹トレーニングをしているけど膝は痛いまま
良いとされることをしていても、思うように効果がでないことってありますよね。
そんな時はぜひ「筋膜」をケアしてほしいんです。
「筋膜をケアする」とはどういうことなのか
それは
「どの場所」を「どれくらい」ほぐすか、です。
ダンスで膝が痛い時にケアするべき場所とは?
ダンスといっても、いろんな種類があります。
今回はその中でも、「ダンス中に膝が痛い人」に共通してよく硬くなっている場所と、
マッサージしてもらいたいポイントをお伝えしていきます。
1.ふくらはぎの外側
これは長腓骨筋と呼ばれる筋肉にあたります。
足首を外側にねじる動きの時に、この筋肉に負担がかかるのですが、
ダンスではステップやターンなど回転する動きが多くなると思いますので
この筋肉を使いすぎている可能性が高いのです。
探し方は、まず、ふくらはぎ(下腿)を三等分します。
高さは、真ん中1/3と中間1/3が交わるあたりです。
ゴロンゴロン、こり固まっている場所はありませんか?
腓骨(ひこつ)という骨が足の外側の真ん中にあるのですが、その骨よりは後ろ側です。
注意しましょう。
ほぐし方は簡単です。
1)ほぐしたい方の足をもう片方の膝の上に乗せます
2)硬くて痛い。ゴリゴリするポイントを膝のお皿の上に当てます
3)こり固まっているポイントを見つけたら、そのポイントを3〜4分ほどほぐしていきます。
ゴリゴリ感やこり感がなくなるまで行いましょう!
2.もも裏の外側
場所は真ん中1/3と中間1/3が交わるあたりで、
大腿二頭筋短頭(だいたいにとうきん たんとう)と呼ばれる筋肉を包んでいる筋膜を狙います。
この筋肉は膝を曲げる動きが多くなると負担がかかります。
ダンスのステップやターン、脚を上げて膝を曲げる振り付けなど
この筋肉を使う場面はかなり多いです。
ほぐし方は、
1)もも裏の外側に握りこぶしを入れます
2)硬くて痛い、ゴリゴリするポイントを見つけます
3)そのポイントにこぶしを置いたまま、膝を曲げ伸ばししたり、
体を揺するなどして、3〜4分ほどほぐしていきます。
ゴリゴリ感やこり感がなくなるまで行いましょう!
もちろん、テニスボールや棒のようなものでほぐすのでもOKです。
3.もも前の内側
膝を伸ばしてふとももに力を入れた時に内がわにふくらむ内側広筋(ないそくこうきん)という筋肉の
1番盛り上がっている部分を狙います。
この部分は、ダンスのジャンプの着地や、ステップの方向転換など、ストップ動作で
かなり負担がかかります。
見つけ方は、
まずは、太ももの前側を1/3ずつ分けます。
そして、お皿に近い1/3の範囲で探します。
ゴリゴリこり固まっているポイントはありませんか?
人によっては、膝の関節の内側に響くような痛みを感じる人もいます。
ほぐし方は、
1)座って、ほぐしたい足をもう一方の足の上にのせます。
2)ほぐしたい側の肘で筋肉のこり固まっているポイント探します。
3)肘のとがった部分で3〜4分ほどほぐしていきます。
ほぐすのは肘でも指でも、道具でも良いです。
まとめ
1.ダンスでは同じようなターンやステップを繰り返す、いわゆる「使いすぎ」で同じ筋膜に負担が集中する
2.筋膜の動きが悪くなると、痛みを感じる
3.筋膜が硬くなるとストレッチや単純なマッサージではほぐれない
4.ダンス中の膝の痛みをケアするためには、ダンサー特有の筋膜の硬くなるポイントをしっかりとほぐす
ダンス中の膝の痛みがひどくならないうちに、普段からケアをしていきましょう!
セルフケアでもなかなか解決しない時は、筋膜調整専門セラピストに一度ご相談くださいませ!
TRIGGER 中村